DEVELOPMENT
PIPELINE
サイフューズの開発パイプライン(開発品のラインナップ)は、医療現場に従事されている医師・研究者の皆さまから発せられる医療現場のニーズから生まれたものです。
サイフューズの基盤技術「バイオ3Dプリンティング」は国内外の論文に多数公開され、主要学会等での発表・講演でも取り上げられるなど、国内外の再生医療分野において大きく注目されております。
このバイオ3Dプリンタで作製した100%細胞のみで作製された組織・臓器「3D細胞製品」は、実際の組織・臓器に近い厚みと弾力性をもち、生体に近い機能を出すことができ、また外科的な処置を行うことも可能です。現在の先端医療においては、いまだ細胞のみから作製された立体的な再生医療等製品は存在していません。サイフューズの3D細胞製品のような新しい選択肢が誕生することにより、新たなマーケット創出に貢献することになります。
再生医療
骨軟骨再生
関節の軟骨は血管が通っていないことから自己再生能力が極めて乏しく、一旦損傷すると自己再生することなく損傷が進行しやすい部位です。従来の軟骨製品は、関節表面の薄い軟骨層の損傷のみを修復するもので、軟骨層を支える軟骨下骨の層まで損傷が及ぶ場合には、人工関節への置換または経過観察による対処療法が選択されていました。
現在、サイフューズが臨床開発を進める細胞製の骨軟骨構造体は、欠損部への移植後、細胞自らが徐々に軟骨と骨に分化して軟骨及び軟骨層を支える軟骨下骨それぞれの組織を同時に再生することが確認されており、これまで効果的な治療法に乏しかった患者さまのQOL(Quality of Life)の向上に向けて大きな期待が寄せられています。
再生医療
血管再生
サイフューズは、腎不全等により血液透析を必要とされる患者さまへ、人工血管の代わりに「小口径細胞製血管」を移植することで感染症のリスクや負担を軽減する新たな選択肢の開発に取り組んでいます。
現在、サイフューズがAMEDの支援のもと、佐賀大学医学部附属病院とともに臨床開発を進める細胞製の血管構造体は、これまでの研究成果について「Nature Communications」等に掲載されており、このような感染に強く、高い弾力性を有する細胞製血管は、糖尿病をはじめとする血管障害を抱えている透析患者さまへの新たな治療選択肢として大きな期待が寄せられています。
再生医療
神経再生
サイフューズは、末梢神経損傷等から四肢の機能の回復を必要とされる患者さまへ、「細胞製神経導管」を移植することで、断裂した神経を再生し、感覚神経や運動神経が改善される新たな選択肢の開発に取り組んでいます。
現在、サイフューズがAMEDの支援のもと、京都大学附属大学病院とともに臨床開発を進める細胞製の神経構造体(神経導管)は、これまでの研究成果について「Scientific Report」「Cell Transplants」「Microsurgery」等の論文・米国科学誌「PLOS ONE」電子版や米国科学雑誌「Newton」等に掲載しており、事故や腫瘍切除時に断裂損傷を受けた方々や自家神経移植が困難な方々にとっては、自己の健常な組織を犠牲にすることなく自身の神経再生を促す新しい治療選択肢が大きく期待されています。
創薬支援
肝臓構造体
現在の医薬品開発における新薬の候補化合物の肝毒性や代謝物の評価では、主にマウスを使用した評価試験系やヒト初代培養肝細胞によるin vitro評価系が用いられていますが、数日で機能が低減してしまうという課題がありました。
現在、サイフューズが開発を進める、ヒトの肝細胞のみから作製した3D肝臓構造体は、その培養培地に新薬の候補化合物(薬物)を添加すると、培地を介して薬物が取り込まれ、肝細胞中の酵素によって代謝され、その代謝産物から薬物の肝毒性推定が可能となります。この3D肝臓構造体を前臨床段階での安全性試験などで用いることにより、これまで動物試験や既存のin vitro評価系では検出が困難であったヒト特異的な肝毒性の早期検出や開発候補薬物のヒト肝臓で起こりうる有害事象の事前予測が可能となり、この長期間肝機能が持続する新たな評価モデルが大きく期待されています。
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