3 神経再生

神経損傷から四肢の機能の回復を必要とする患者さま

従来、神経を損傷した患者さまには、自身の足から健常な神経を採取し、損傷部位に移植する自家神経移植が行われてきました。
しかしながら、自己の神経の採取には限界があり、採取した箇所にしびれや痛み、麻痺が生じるなどの課題がありました。
そのため、事故や腫瘍切除時に断裂損傷を受けた方々や自家神経移植が困難な方々にとっては、自己の健常な組織を犠牲にすることなく自身のQOLを大幅に向上させる新しい治療選択肢が大きく期待されています。
AMEDの支援を受け、「革新的医療シーズ実用化研究事業/バイオ3Dプリンタにより作製した三次元神経導管(Bio 3D Conduit)を用いた革新的末梢神経再生法の臨床開発」(代表:京都大学)において、京都大学と共同で、細胞製の神経構造体(神経導管)を開発しています。
このスキャフォールドを使用せずに、細胞のみで作製した神経導管は、非臨床試験において、切れた神経が構造体の空洞部分を伸長し、再生するとともに感覚神経と運動神経の機能についても改善したこと、また、従来の人工神経を用いた移植と比較して組織の再生が良好であることを確認しております。
この研究成果は、米国科学誌「PLOS ONE」電子版や米国科学雑誌「Newton」に掲載されました。
今後は、細胞製神経導管の早期の臨床入りへ向け開発をさらに進め、世界初の画期的な治療方法を実現し、特に治療困難とされてきた脊髄損傷や脳梗塞などの神経疾患へ新たな治療選択肢を提供し、多くの患者さまに貢献することを目指します。